電炉会社は、より優れた鋼材を提供するため、電炉鋼材の一層の品質管理の推進と徹底を図っています。以下に具体例を挙げます。
1. 各社の製造工程の品質管理
電炉会社は、各工程での品質管理のポイントをより具体化し、文書化した社内規定により、品質管理を行っています。各社は品質管理方針を定め、これを展開し品質保証体系を整備し、製品の受注から原料の受け入れ、製造、製品の出荷に至るすべての工程において、この品質保証体系を厳格に適用し管理しています。
電炉工場での製造工程と管理のポイントは図に示すとおりです。
図1 製造工程と管理のポイント(例)
2. 国際的な品質管理基準の取得
近年、国際的な品質管理体制の評価を得るため、平成28年7月末現在、ISO9000シリーズの取得件数は37件、ISO14000シリーズの取得件数は38件に及んでいます。
最近の普電工加盟数の減少により、ISO9000シリーズでは取得件数が減少したものの、ISO14000シリーズでは、新規取得数が増加傾向にあります。
図2 普電工加盟会社のISOシリーズ登録の推移
3. 普通鋼電炉工業会としての品質管理に対する取り組み
普通鋼電炉工業会では、業界あげて品質管理に取り組み、電炉製品の一層の品質向上につとめています。
「電炉鋼材フォーラム」の開催、品質管理推進月間行事の開催
当工業会では、1990年代を通して会員各社の品質管理水準の向上を図るため、「品質管理推進月間行事」を全国で開催、会員会社の品質管理事例の発表等の活動を行いました。
品質管理月間行事プログラム(1998年度~2001年度)(PDF:112.2 KB)
これを引継ぎ、2002年から名称を「電炉鋼材フォーラム」として開催しています。官公庁、建設会社、設計会社、鉄骨業、鉄筋業、機械等のユーザーを対象に、学識経験者、建設会社等の専門家の講演や電炉鋼材、電炉業についてのPRと情報発信を実施しています。
「品質管理マニュアル」の策定
当工業会では1992年に「品質管理マニュアル」を策定、適宜改訂・見直しを行っています。
これにより、会員会社の品質管理の徹底・推進を図っています。
電炉鉄筋棒鋼の品質調査の実施
当工業会は、1987年以来、学識経験者を委員長とする電炉鉄筋棒鋼品質調査委員会を設置し、会員会社の生産する鉄筋棒鋼の機械的性質、化学成分等の品質調査を定期的に行っています。
電炉鋼材フォーラム開催時に調査結果を官公庁、建設会社など関係方面に報告しています。
電炉鉄筋棒鋼品質調査の実施状況(PDF:492.7 KB)