厚板とは
 6mm以上の板厚の鋼板を厚板といいます。用途は、建築・産業機械等極めて広範囲に利用されており、現代社会において不可欠な鋼板であります。
  (種類)一般構造用圧延鋼板(SS400、490)、建築構造用圧延鋼板(SN400、490) 溶接構造用圧延鋼板(SM400、490、520、570)、機械構造用炭素鋼板(S10C〜S58C) クロムモリブデン鋼鋼板(SCM440)、ボイラー用炭素鋼鋼板(SB410) 被削性改良鋼板、レーザー切断機用鋼板、高張力鋼板、対摩耗性合金鋼板、船体用鋼板
用途
 建築、橋梁、産業機械、農業機械、起重機、高圧容器、貯蔵容器、鉄道車両、自動車、船舶、金型等
製造方法(特色)
最新鋭精錬および製鋼設備導入による高品質の確保
(1) EBT炉底出鋼介在物低減、鋼中燐・硫黄濃度低減、窒素濃度低減
(2) 取鍋精錬介在物低減、脱硫、成分狭レンジ制御、介在物形態制御 溶鋼温度狭レンジ制御
(3) 連続鋳造機断気鋳造による非金属介在物の増加抑制、吸窒防止 電磁撹拌による中心偏析の防止
全量二次精錬処理による汎用鋼〜高級鋼に至るまで高品質実現
(1) 介在物が少ない
(2) 成分狭レンジ制御による製品品質の均質化
(3) 同上による機械的性質の安定化
最新圧延設備による高品質かつ高精度形状の確保
(1) クロス圧延によるC方向特性改善
(2) AGCによる長手方向板厚偏差低減
(3) 制御圧延による降伏点、靱性値制御
(4) 低速高形状比圧延によるZ方向特性改善
専用山積み徐冷による脱水素処理
コンパクトレイアウト、シンプル組織による製造リードタイム短縮、短納期の実現
品質特性等
(1) LF取鍋精錬炉処理により建築向鋼材の低硫化が容易で、靱性値・Z軸特性に優れます。
(2) 電炉特有成分(TE)の有効活用により、優れた特性が得られます
a) 同一強度レベルでは、低Ceq・低Pcmのため、伸び・靱性・溶接性が良好です。
b) 表面スケールが緻密なため、レーザー切断に最適です。
c) Cu、Cr、Ni等の適量含有により、一般材でも耐候性を有しています。
今後の動向〈成分、性能等〉
(1) 建築用鋼板(SN材)の増加とさらなる高靱性化。
(2) レーザー切断機の普及拡大によるレーザー鋼板の増加と板厚拡大。
(3) NC無人加工機の増加による被削性改良鋼板の増加。