|
1. 電炉業はリサイクル産業です |
・ |
電炉の主原料は鉄スクラップです。鉄スクラップの主な発生源は、橋、ビル、自動車等が解体されて発生する「市中回収スクラップ」と、自動車、造船等の生産工場から発生する「加工スクラップ」、鉄鋼工場から発生する「自家発生スクラップ」です。 |
・ |
このうち市中回収スクラップは、過去に消費された鉄鋼のストック(鉄鋼蓄積量)から発生します。 |
・ |
市中回収スクラップは、鉄鋼蓄積量の約2%程度が毎年回収されるといわれています。鉄鋼蓄積量の増加で、市中回収スクラップも今後増えていくことが予想されます。
(現在、わが国の鉄鋼蓄積量は13億トンに達しており、30年前の2倍に増加しています。) |
|
2. わが国の鉄スクラップ需給量はどのくらいか |
・ |
わが国の近年の国内向け鉄スクラップ供給量は年間約5000万トン、うち半数は電炉で消費しています。 |
・ |
電炉工場で発生した「自家発生スクラップ」のうち多くを、再使用しています。 |
・ |
自動車等の生産工場から発生する「加工スクラップ」も大部分が電炉工場、鋳物工場、高炉(転炉工場)で再使用されます。 |
・ |
ビル、橋、自動車等が解体されて発生する「市中回収スクラップ」も大部分が電炉で再使用されます。 |
|
3. 電炉はなぜ省エネなのか |
・ |
電炉工場では鉄スクラップを溶解し、さらに精錬、圧延して新しい製品を造ります。鉄スクラップを主原料とする電炉法は、鉄鉱石を還元する高炉法に比べて省エネルギーに適した鉄の製造方法です。 |
|
4. 電炉業は電気というクリーンエネルギーを上手に利用しています |
・ |
電炉工場のエネルギーのほとんどは電気です。しかも大部分は電力需要が少ない夜間に使用していることから、電力会社の効率的な発電供給(負荷平準化)に寄与しています。 |
・ |
電炉工場での夜間の電力使用比率*は80%以上に達しています。 |
|
* 夜間電力使用比率=〔年間夜間(夜間+軽負荷+最低負荷)使用電力量〕/年間総使用電力量×100 |
|
【鉄鋼蓄積量と市中回収スクラップ回収率の推移】 |
【わが国の鉄スクラップ供給量と需要量】 (2021年度)

|
注) |
電炉需要のうち「加工スクラップ」の使用量は、統計で判明している全業態・全国計の25.9%を使用し示した。 |
|
出所:鉄源年報 |
【電気炉リサイクルフロー】
|
|